e-Taxを知っていながら利用しない理由

国税庁は、平成23年分の所得税申告のe-tax利用率を47.3%と発表しているが、その内訳は見当たらない。平成21年の利用実績においては、その内訳を発表している。
平成21年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
ここから推測すると、e-taxを利用したといっても、半分以上は、税務署のパソコンから送信しているのである。また、自宅のパソコンを使用した場合でも、申告書面をパソコンで作って、印刷して税務署に持参または郵送するという人もかなりいて、自宅のパソコンからe-taxで送信している人は、かなりの少数派、平成21年分で、11.8%であり、今でもそんなに変わらないと思われる。
で、その理由だが、ちょっと古い調査ではあるが、確定申告、e-Taxを“知っていながら使わない”理由とはによると「最も多かったのは「ICカードリーダの入手に費用がかかる」で21.4%。以下、「電子証明書の取得に手間がかかる」が19.1%、「利用方法が分からない」が14.0%、「PCに対する知識が十分でないから」が10.0%で続いた」とのことである。
確かに、年一回のためだけにICカードリーダを買うのはもったいない。ただ今でも3000円控除があるので元は取れるが。電子証明書にしても同じだ。年一回のためだけに合計1000円を出して住基カードと電子証明書を取得するために役所に出向くのは、もったいないし、面倒だ(しかも電子証明書は3年毎の更新、住所変更したら失効)。ただそのことで、税務署に出向く手間は省けるが。また、免許証をお持ちでない方にとっては写真付き住基カードは身分証明書に使える。
逆に考えると、ICカードリーダと電子証明書を所得税の確定申告以外でも使う場合は、メリットも出てくることになる。株式会社を設立する際の定款認証に使えるが、これもめったにあることじゃないし。不動産登記を自分でやるときにも使えるが、これもそうあることではないし、今では紙の印鑑証明書で電子申請が認められるようになっているので、不可欠ではないけど。
あと、自動車を持っているか、購入する場合は、まだ対象地域が限られているが、自動車税保有関係手続のワンストップサービスにおいて電子証明書が使える。
また、身近に確定申告する人がいれば、ICカードリーダは、使いまわすことは可能だ。
こうして、なんとかICカードリーダと電子証明書の壁をクリアしたとしても、次はパソコン操作ができるかどうかという壁が待ち構えている。これも誰か教える人がいれば、たいして難しくもないのだが、自宅では孤軍奮闘になりがちだ。それで結局、税務署設置のパソコンを使う人が多いのだろう。しかし、それではe-taxで申告するメリットはほとんど無くなる。
もしよろしければ、無償で操作方法などお教えしますのでお気軽にご質問ください。