WordCamp Kansai 2015から何をつかむべきか

WordCamp Kansai 2015の感想

7月25日,26日と大阪大学会館で開催されたWordCamp Kansai 2015に参加したのですが,今回は,昨年のWordCamp Kansai2014,一昨年のWordCamp Osakaと若干内容が違っていました。
私は,3年前,もともとは単純に自分のサイトを作りたい,そのために役立つものが得られるのならと,本当に初心者段階で「恐る恐る」参加しました。
そのときの私なら,今回の内容は,随分難しく感じたでしょうし,そもそも参加してなかったかもしれません。
はじめてWordPressというものに触れてみたい,といった方には,今回の内容は大変敷居が高いといいますか,自分の求めていたものとは違うという感想を持たれたかもしれません。
事実,「デザイナーの「行き場」が少なかった」,(デザイナーとしては)「何のために来たのかわからない」といった声があるようです。
私は,デザイナーでも,コーダーでも,エンジニアでも,プログラマでも,ブログも大して書いていないのでブロガーでもありません。
しかし,今の私の感想としては,今回が,これまで参加したWordPressのイベントの中ではもっともインパクトがあり,感銘を受けました。
それは,それぞれのセッションにはそれぞれのテーマがもちろんあるのですが,その全てに「WordPressの理念」が貫かれていたからだと思います。

WordPressのミッション「パブリッシングの民主化」

昨年は基調講演として,WordPress共同創始者のMatt Mullenweg(マット)さんが登壇されました。彼が強調したのは,WordPressの”ミッション”が「パブリッシングの民主化」であること。
昨年も様々な内容のセッションが企画されましたが,この基調と,その前の高野さんのセッションにより,WordPressの技術やデザイン以前に,その「理念」が高らかに宣言され,イベント全体に一つの芯が通ったものとなったと思います。
そして,今回のWordCamp Kansai 2015も,昨年の流れを受けて,セッション企画はWordPressの理念をより深く考えるものが多く配置されたのかなと勝手に考えています。
WordPressの理念とは,主にコミュニティとライセンスに関するもので,ソフトウェアの開発とその利用についての考え方です。
WordPressのみならずオープンソースと聞くと「無料で使える」わけで,それは事実ですが,何らかの形で利益をあげる仕組がないとビジネスとして成立しませんし,持続したシステムになりません。
この考え方は,一般的なビジネスの考え方とは,かなり違う部分もあるので,WordPressに関与するのであれば,職種にかかわらず,しっかり勉強すべきと考えます。

今年は難しい話が多かったと思うけれど

テーマやプラグインに関するWordPressのルールについて多く語られましたが,やはりこれらは必須不可欠の知識だと思います。
今回,大学で開催されたこともあるのか,大学関係者の登壇も複数ありましたが,そこでの話で出てきたオープンデータや,東南アジアの言語の話などは,直接に役立つ人のほうが少ないでしょう。
また,tenpuraさんのお話のテーマは,多くの人にとって,かなり難しい話だったと思います。
しかし,私は,これらのセッションが聞けて本当によかったと思っていますし,このような企画をしてくださった実行委員会にお礼を申し上げたいと思います。
個々の具体的な話として,難しくて理解できない部分や自分の仕事と関係ないところがあったとしても,そこに共通して流れているWordPressの理念は十分感じとれたし,感じとることで自分の幅を広げていけると思います。

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