100%GPLに反している国産有料WordPressテーマ

WordPressテーマは配布の自由を制限してはいけません


最近出版されたWordPressのプロ向けの書籍であるが,ライセンスについて1章を割いて記述されている(第2章)。
技術的な解説書に,ライセンスについて詳しい記述があるのは珍しい。とくにこのオープンソースソフトウエアにかかわるGPL等のライセンスについては,かたや法律書などでも解説はあまりみない。
しかし,本来非常に重要なことのはずで,WEBやITの業界に関わる人は,必ず知っておくべき内容である。(私自身大変勉強になりました。)

そもそもフリーソフトウエアというときのフリーは「無料」ではなく「自由」という意味なのだ。
なにもかもが無料であれば,ビジネスになるわけがないし,無料でなにかが得られるということは,一方で誰かがコストを負担していることに他ならない。GPLというライセンス自体は無料という意味ではなく,自由ということに核心がある。自由というのは,改変の自由,再配布の自由である。Windowsに典型的なライセンスのビジネスモデルとの最大の違いである。だから有料で販売する行為やWordPressに関連したビジネス自体は,何ら問題はない。

しかし,Windowsなんかでは当たり前のことが,GPLでは,ライセンス違反になる。
代表的な例は,WordPressのテーマを配布,販売する際,一つのWEBサイトにしか使えないなどと制限を課すことがある。
なぜこれがいけないのか,一つの理由を引用しておく。

これまでの貢献による成長,開発者コミュニティの成果を掠め取って

いるからなのだ。

現在でも,このようなライセンス違反の規約を掲げる制作業者は,かなりあるようなのでいくつか紹介しておく(2014年8月20日現在)。
※仮に画像や独自のCSSには別ライセンスを適用するとしても(スプリットライセンス)それ以外の部分は再配布の自由があるし,本来それは望ましくない。また,著作権の主張と再配布を認めることとは何ら矛盾するものではない。

Minimal WP(http://minimalwp.com/riyoukiyaku/)

HYBRID THEME(https://hybrid-theme.com/howto/)

ワードプレステーマTCD(http://design-plus1.com/tcd-w/attention)

DigiPress(https://digipress.digi-state.com/regulation/)