日常生活と訴訟

ネットの世界では、あるブログの中の一つの記事だけが、ものすごく注目を浴びたりすることがままある。
タイトルが「売掛金回収!少額訴訟してみたよ。」というこの記事もその一つだ。
この記事は、「落ち」がなんとも言えず、自分で訴訟して勝訴したにもかかわらず、結局相手方の財産を差し押さえることができず、お金は回収できなかったという話だ。
この記事が注目されたのは、思うに、
個人事業者など小規模事業者の取引では、結構トラブルがある。
しかしながら、そうした場合に有効な対処方法があまり知られていない。
というところへ、
専門家に頼まなくても、自分で手続きすることも可能な比較的簡便な手段が実は用意されている。
それを実際にやってみた経験、といった内容だったからだろうか。
ただ、この物語の「落ち」が示すように、訴訟というのは勝てばいいというものではないのだ。
相手が任意に履行しなければ、結局強制執行が必要となり、それが空振りに終わると努力も水の泡だ。
したがって、通常は執行を万全にするため、訴訟の前に民事保全手続を行う。
こうしたことを考えると訴訟というのは、まだまだ簡単とはいえず、何よりも債権額が少額であれば、費用倒れになる可能性がある。
自分でするにも大変で、専門家に頼めば、費用も半端ではないとなり、訴訟はまだまだ敷居が高いと思われる。
また、この筆者の方が、専門家として最初誤って行政書士をあげ、後に指摘されて司法書士(正確には簡裁代理権を取得している認定司法書士、ただし今日、ほとんどの司法書士は取得している)と訂正されているが、実はもちろん弁護士は訴訟ができる。
弁護士という存在を知らないはずはないのだが、こういう話題で弁護士が出てこないあたりが、いかに弁護士の敷居が高いかも表しているようだ。
で、結論としては、契約の際に、しっかりと内容を工夫した契約書を交わし、事前に未払いなどが起こりにくいように手を打っておくことが必要になる。
個人事業者、SOHOの人々にとっても、こうした法律の知識をもとにしたリスクマネジメントは必須のものになっている。

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