はじめに

司法書士の代表的な仕事は,登記です。
登記は,不動産登記,会社などの商業登記が中心です。
登記以外に,司法書士は,裁判所に提出する書類の作成ができます。
弁護士のように訴訟代理人はできませんが,依頼者の意向に沿って,裁判所に提出する訴状などの作成をすることができます。
また,認定司法書士は,簡易裁判所の民事事件で,訴額が140万円までの事件であれば,訴訟代理人になることもできます。
訴訟提起以前でも,同様な事件であれば,和解交渉も可能です。
以上は,司法書士でなければできないことですが,それらに関連することで,特に資格にかかわらない分野でも,司法書士は様々な業務を行っています。

特に司法書士が率先して取り組んできたそのような分野に,成年後見業務があります。
今日,日本が迎えている超高齢化社会において,成年後見制度は,誰にとっても避けて通れないものになりつつあります。

ただ,成年後見制度をもって,今日の高齢化に伴う問題がすべてクリアされるわけでもなく,そもそも成年後見制度はそのようなものではありません。可能であれば,早い段階から成年後見制度を補完する様々な制度や仕組み(任意後見制度は成年後見制度に含まれますが,その他に遺言,民事信託または家族信託など)を活用して,今日のある種困難なこの世の中を,われわれは生き抜いていくべきと考えます。

少子高齢化が,家族の有り様の変遷とともに進んでいます。
従来の家族観,結婚観,夫婦観といったものが揺らいでいます。
とはいえ,太古の昔からの考えが揺らいでいるのではなく,つい一昔前の考え方が揺らいでいるだけなのです。
ただ,これらの変容に伴って,ある種の社会のきしみとでもいうべき,無縁社会であるとか,格差社会であるとかの問題が生起しているのは,看過できません。

司法書士の職責というのは,公益的でもあるべきです。
人々が個人として尊重され,物心ともに幸福な人生を送れるようその職務を行っています。
司法書士の業務を切り口にしつつ,依頼者様の生活再建や人生相談に至るまで可能な限りのご要望に応じております。